9月3日
職場の同僚に誘われて、仕事後、湖に鳥を見に行くことにした。
ぼくが「まだペリカンを近くで見たことがない」と言ったら、同僚が「自分の家の
近くで見られるから、一緒に行こう」と言うので。
ブルガスから車で30分ほど。バヤ湖のほとりの小さな住宅街に着く。
同僚は自宅から望遠鏡を取ってきて、いざ湖へ!
しかし、湖で見られたものは、カモメと白い小さな水鳥、そしてどこから集まっ
てきたのか近所の子供5,6人。このガキ共、同僚の望遠鏡、双眼鏡、ぼくの
デジカメなどが珍しくてしょうがないらしく、ピッタリまとわりついてくる。
1人に望遠鏡を覗かせてあげれば、みんな「俺にも!」「ぼくにも!」と騒ぎだし
て、「うおー、すげー!!」って興奮しっ放し。
ま、子供はどうでもいいんだけど、目的のペリカンはぼくにはほとんど何も見え
なかった。同僚は、望遠鏡ですご〜く遠くに“白い点”のようなものをぼくに見せ、
「あれはペリカンだ!」って。
『おーい、 そんな“点”だけじゃ、なにもわかんないよー 』
表情からぼくの不満を悟ったのか、「場所を変えよう!」と同僚。
子供たちが邪魔くさかったから、「うん、そうしよう。」とぼく。
で、次に向かったのは、、、、
|
|
なぜか、湖からとても離れた丘の上。 「ほら、あの辺りがブルガスの中心街」とか、「あの高いビルはホテル・コスモスだ」とか、「あの辺がぼくらの職場かな〜」とか説明しだす同僚。
もう陽射しもかなり傾いてきて時間がないっていうのに、『こんな風景なんてどーでもいいよ〜 ペリカンは〜?』と内心思っていた。
望遠鏡を設置しだした同僚。「覗いてみろ!!」って言われて、覗くと、、、、びっくり!! |
|
|
ブルガス周辺には、大きな湖が4つある。そして、これらの湖には、1年を通していろいろな渡り鳥が訪れては旅立ってゆく。
中でも、4湖のうちの1つであるアタナソフスコ湖では、もっともたくさんの種類の鳥が確認されていて、これまでにこの湖1ヶ所だけで、310種類もの鳥が観察されている。この数字は、アタナソフスコ湖がヨーロッパ中で最も多く種類の鳥が見られる場所、ということを示している。 湖に渡ってくる鳥のうち、最も巨大な鳥はペリカンだ。
ペリカン同様、ブルガスにやってくる大きな渡り鳥にコウノトリもいる。コウノトリはセロ(村)に棲みつくため、「セロで見られる大きな鳥」という印象がある。それに対して、ペリカンは湖に棲みつくため、「セロで見られる大きな鳥」というよりも「湖の近くで見られる大きな鳥」という印象が強い。実際、ブルガスのように大きな都市でも湖の近くに行けば、ペリカンを確認することはできる。
ただ、コウノトリのように民家近くに巣を作るわけではないから、ペリカンを間近で見ることはより難しい。 |
|
|
望遠鏡の中のすごい光景に驚いた! ぼくはこれまでに、上空高くを飛んでいるペリカン、湖の水面遠〜くに十数羽が
浮かんでいる姿は見たことがあった。しかし、これほどの数のペリカンを見るのは
初めて。ペリカン[モモイロペリカン]のコロニーだ。100羽以上はいるだろうか?
このおびただしい数にとても興奮した。
|
|
|
←望遠鏡で見えた光景 |
|
はじめの写真からもわかるように、望遠鏡から湖畔までの距離は少なくとも1kmはあったと思う。だから、今回はこの写真程度の大きさまで見るのが限界だった。
(写り具合がいまいち →) この写真からだと、ペリカンの本当の大きさがうまく伝わってこないと思う。
ぼくは、ペリカンがそれほど大きな鳥とは思っていなかった。しかし、首都ソフィアにある自然博物館に行ったとき、ペリカンの剥製を見て、その大きさにとても驚いた。
ペリカンは体の大きさが150〜180cm程度と、ぼくの身長ほどある鳥。翼を広げると、その幅は250〜260cmにもなる。 そして、コウノトリなんかと決定的に違って感じるのは、その体のデカさ。重量感です。翼を広げると2m弱にも達するコウノトリの平均的な体重は約5kg。それに対して、ペリカンは約10kgとコウノトリの2倍もある。 |
|
|
|
刃物のように伸びたくちばし、想像を絶する大きさ、そしてどっしりとした重量感にはとても迫力があり、『こんなデカイ鳥が近くに来たら、すごい恐怖感に襲われそうだなぁ〜』と思う。 |
|
|
今年は結局、この日以降機会がなく、ペリカンをもっと近くで見ることはできなかった。来年チャンスがあれば、もっと間近で撮影したい。そして、その恐怖感を感じてみたいと、ちょっと思うのでした。 |
|
.........トップページに戻る.........
[20001.11.19 作成]
[2001.11.20 文章一部改訂] |