『日本人に日本文化を紹介したっておもしろくない。自国の文化くらい知っているよ』って、 いま誰か言いましたか?
今回は正確にいうと、“ブルガスにおける”日本文化の紹介をします。
導入部
子供向けの本棚に並んでいる、この絵本。 大人であるぼくが興味を惹かれたのは、「ウォーリー」 、、ではなくて、その表紙に見えている白地に赤丸 、、「日本の旗」。
そう、今回、取り上げられているテーマは『 日本 』だったのです。
そして、その後のページから写真付きで詳しく説明されている「武士・日本刀」、「茶道・着物・礼儀作法」、「空手・柔道・相撲・剣道など日本のスポーツ」、「地震多発国の事情」などについてのページを読み進んでいくうちに、日本の文化を学ぶことになる。
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ポスター
ぼくは合気道の道場を見たことはなく、また、合気道をやっているブルガリア人にも会ったことはないが、このポスターの数からして、ブルガスでは合気道は相当な人気があるようだ。(ポスターは、頻繁に新しいものに貼り替えられている)
ブルガスでは見ないが、首都ソフィアなどでは「柔道」「剣道」の道場もあるそうだ。格闘技・武道は、ブルガリアの中でもっとも受け入れられている日本文化ではないかと感じる。
これは、とくに小学生くらいの男の子からよく言われる。一度、冗談半分で空手の構えの真似事をしてみせたことがあった。すると、「オォ〜!!」と歓声が上がり、「お願いだからから、教えてくれ〜」「弟子にしてくれー」とつきまとわれ、大変な騒ぎになった。 教える気のない人は、ぼくみたいな冗談はやめておきましょう。
−おまけ− 日本文化ではないが、2, 3ヶ月前から街に現れた「太 極拳」ポスター。街でめずら しい漢字表記には、ついつ い目を惹かれてしまう・・・・
看板
友人に聞くと、「ここのカラオケ以外にも、センター街のホテルにもう一ヶ所カラオケがあったはず」とのこと。ブルガリア人にも、カラオケはそこそこ人気があるようだ。 しかし、ブルガリア語字幕で歌う曲は準備されていなく、すべて英語字幕の曲らしい。(英語がわからないブルガリア人は楽しめないということだ)
日本文化「盆栽」は、ブルガリアではなかなかの知名度。盆栽に関する本は、本屋でふつうに並んでいるほど。 それなのに、「盆栽をやっている」「盆栽が好き」というブルガリア人に、出会ったことが一度もない。(なぜだろう?たまたま出会いがないだけかな?)
看板の拡大写真。「満 月に盆栽」の絵がいか にも日本的。写真中央 黒い字で「花 盆栽」と 書かれている。
書籍
ぼくの思うに、ブルガリアでもっとも知られている日本の文化は、、、、
この本は、大きめの本屋に行けば、たいてい置いてある。表紙の漢字表記がよく目立つ、小さな本。 ページには、一句ずつ俳句が日本語縦書きで紹介され、その横にブルガリア語で対訳がついている。
俳句はブルガリアでかなり受け入れられていて、実際に、ぼくは俳句好きのブルガリア人に何度も出会っている。 去年の冬、旅行先でたまたま道を聞いたおじさんは「日本の俳句は素晴らしい。芭蕉が好きだ」と言っていた。夏に、湖での野鳥保護の会みたいな集まりで知り合った若い子も「私は俳句が好き」と言っていた。首都ソフィアで、ひと月程お世話になった家のおじさんは大の俳句ファン。毎晩のように夕食後、おじさん自作の俳句(*)を聞かされ、「いつの日にか京都に行き、芭蕉が句を詠んだ場所を巡りたい」と語っていた。
(*)
無理だと思いつつ探してみると、意外に見つかる日本人作家の本。
とても分厚い本だから読み切る自信はなく、また、(当然なのだが)挿し絵がほとんど無いため面白味もなく、購入はしませんでした ・・・・ブルガリア語の勉強には、きっと良いんだろうけどね・・・・ 。
そして、まだまだありました。 職場の読書好きの同僚が持ってきて紹介してくれた日本の本。
写真右端の「日本童話の本」は、いくつかの日本童話がブルガリア人によって翻訳されている。「桃太郎」などがブルガリア語で紹介されている。
以上のように、日本文化はブルガスを少し注意深く歩いてみると見つけることができる。 街のあちこちで、思っていたよりも多くの日本文化に出会え、驚きだった。
マンガ、アニメ
その記事からの抜粋: 『(日本の)アニメ映画とマンガのテレビシリーズは世界中に広まっている。当然、ブルガリアも含まれる。もし誰かが日本のアニメなんか一度も見たことがないと言ったら、それは嘘か、単に知識に乏しいことを意味する。なぜならば、子供の時に「みつばちマーヤ」を見なかったという人は滅多にいないからだ。』
そして、さらに 『世界50ヶ国以上で放映されているポケモン。数週間前にブルガリアでも、ポケモンシリーズが始まった。』とも書かれている。
まだブルガリア語放送が始まってもいない半年以上前から、駄菓子屋ではポケモンのお菓子が人気だったし、文房具屋でもポケモンのグッズを見かけた(写真はポケモンのノート:ブルガスの本屋さんにて)。
これ以下、「おまけ」
これまで、ぼくは「世界最強のテレビマンガは、ドラえもんに違いない!」とすっかり信じ込んでいた。ずっと昔に、ニュースかなにかで『ドラえもんは世界××ヶ国で翻訳され、いまや世界中の子供達から愛されている』というような話を聞いた覚えがあったからだ。 しかし、実際にブルガリアに来てみると、どのチャンネルでも見かけないだけでなく、絵を書いていろいろな人に聞いてみても、誰も知らなかった。
すると、あるお土産屋の陳列棚にドラえもんがいるではないか!?予期せぬ出会いに驚いた!ブルガリアに半年以上住んで、初めて見つけたドラえもん。 急いでお店に入り、まじまじと確かめる、、、、「間違いない!」 どこから見てもドラえもんだ。
ぼく: 『これは何なの?』
店員: 『あぁ、これかい? これは、中国の猫だよ。』
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[2001.12.3 作成]