日本文化を紹介しようと思う。

『日本人に日本文化を紹介したっておもしろくない。自国の文化くらい知っているよ』って、
いま誰か言いましたか?

今回は正確にいうと、“ブルガスにおける”日本文化の紹介をします。
    


導入部


    
先日、ブルガスの中心街にある大きな本屋さんに行った。
「なにか面白い本はないかな〜?」と、店内をぶらぶらしていると、1冊の本が目にとまった。
    
WollyMagazin.jpg (13656 バイト) 「ウォーリーを探せ!」という本を覚えていますか?日本でも一時期評判になった、子供向けの楽しい絵本。
この本屋で見つけたのは、「ウォーリーが、世の中のある1つのテーマについて子供たちにわかりやすく解説する」という趣向で、定期的に刊行されているシリーズ本。ページ数は20ページ程度の薄い絵本。

子供向けの本棚に並んでいる、この絵本。
大人であるぼくが興味を惹かれたのは、「ウォーリー」 、、ではなくて、その表紙に見えている白地に赤丸 、、「日本の旗」。

そう、今回、取り上げられているテーマは『 日本 』だったのです。

    
絵本を開くと、目次に続いて紹介されている日本地図。
地図にはたくさんのイラストが描かれていて、このイラストに日本のイメージが凝縮されている。
地図のイラストを上から順に列挙してみると、「アイヌ」、「ニホンザル」、「相撲」、「桜」、「自動車工業」、「お米」、「電子工学」、「富士山」、「仏教の寺」、「新幹線」、「阪神大震災」、「マグロ漁」、「茶道」。
ブルガリアの子供たちは、これらのイメージによって『日本』像を固めていく。

そして、その後のページから写真付きで詳しく説明されている「武士・日本刀」、「茶道・着物・礼儀作法」、「空手・柔道・相撲・剣道など日本のスポーツ」、「地震多発国の事情」などについてのページを読み進んでいくうちに、日本の文化を学ぶことになる。

JapanMap-s.jpg (8102 バイト)

          ↑ 拡大図を見たい人はクリック 
    

    

 

絵本の中の日本文化はさておき、実際、街の中にはどんな日本文化があるのだろうか!?
街で見ることができる「日本文化」を探してみる。
    
    

ポスター


    
ブルガスの街を歩いていて、一番簡単に見つかる日本文化はこれ。
    
Aikido.jpg (14090 バイト) ブルガス中心街の大通りを縦断すれば、おそらく10〜20枚ほどの「合気道」ポスターを見つけることが出来ると思う。中心街のいたるところで、建物の柱や壁に貼られていて、かなりの宣伝効果だ。

ぼくは合気道の道場を見たことはなく、また、合気道をやっているブルガリア人にも会ったことはないが、このポスターの数からして、ブルガスでは合気道は相当な人気があるようだ。(ポスターは、頻繁に新しいものに貼り替えられている)

    
次に、合気道ポスターほど多くは見かけないが、「空手」のポスターもある。空手は、どこかの学校の体育館で行われていると聞いたことがあるが、これも実際に見たことはない。
    
Karate+Aikido.jpg (15680 バイト) 左のポスターは、あるお店で見かけた「空手+合気道」合体のカラーポスター。
青字のタイトルには、ブルガリア語で「サムライ」と書いてある。『侍魂である“信義を重んじる武士の道”を見習おう!』ということだ。けっして、『侍のごとく日々腕を磨いて、しっかりと公家に仕えましょう』という意味のタイトルではない(と思うよ)。

 

ブルガスでは見ないが、首都ソフィアなどでは「柔道」「剣道」の道場もあるそうだ。格闘技・武道は、ブルガリアの中でもっとも受け入れられている日本文化ではないかと感じる。

    
ちなみに、ブルガリア人には「日本人はみんな、なんらかの武術を心得ている」と信じ込んでいる人が多く、「日本武術を披露してくれよ!」と頼まれることがしばしばある。

これは、とくに小学生くらいの男の子からよく言われる。一度、冗談半分で空手の構えの真似事をしてみせたことがあった。すると、「オォ〜!!」と歓声が上がり、「お願いだからから、教えてくれ〜」「弟子にしてくれー」とつきまとわれ、大変な騒ぎになった。
教える気のない人は、ぼくみたいな冗談はやめておきましょう。

 

Taikyokuken+Aikido.jpg (7853 バイト)

−おまけ−
 日本文化ではないが、2,
3ヶ月前から街に現れた「太
極拳」ポスター。街でめずら
しい漢字表記には、ついつ
い目を惹かれてしまう・・・・

 


看板


    
街の看板に目を向けると、そこにも日本の文化が・・・・
    
Karaoke.jpg (12345 バイト) 街の中心地にあるオペラ劇場。そこの建物の一角に、「カラオケ・バー」という看板が目立っている。カラオケは日本の文化だ(よね?)。

友人に聞くと、「ここのカラオケ以外にも、センター街のホテルにもう一ヶ所カラオケがあったはず」とのこと。ブルガリア人にも、カラオケはそこそこ人気があるようだ。
しかし、ブルガリア語字幕で歌う曲は準備されていなく、すべて英語字幕の曲らしい。(英語がわからないブルガリア人は楽しめないということだ)
    

    BonsaiShop.jpg (15628 バイト)     
こちらは盆栽の看板。
中心街の少し外れにある花を売っているお店。何げなく看板を見ていて、「ボンサイ」の単語にハッと気がついた。覗いてみると、たしかに盆栽らしき植木が売られている。けれど、営業しているんだかしていないんだか・・・・寂れているお店。

日本文化「盆栽」は、ブルガリアではなかなかの知名度。盆栽に関する本は、本屋でふつうに並んでいるほど。
それなのに、「盆栽をやっている」「盆栽が好き」というブルガリア人に、出会ったことが一度もない。(なぜだろう?たまたま出会いがないだけかな?)

BonsaiSignBoad.jpg (6363 バイト)

看板の拡大写真。「満
月に盆栽」の絵がいか
にも日本的。写真中央
黒い字で「花 盆栽」と
書かれている。

    
このほか、同僚いわく「ブルガスのどこかで、「生け花」看板を見たことがある」との情報。しかし、ぼくは見つけられなかった。

 

 


書籍


    
街の本屋に行って、日本文化を探してみる。

ぼくの思うに、ブルガリアでもっとも知られている日本の文化は、、、、
    

HaikuBookCover.jpg (6313 バイト)HaikuBookPage.jpg (7193 バイト) 写真を見るとわかるように、「俳句」です。

この本は、大きめの本屋に行けば、たいてい置いてある。表紙の漢字表記がよく目立つ、小さな本。
ページには、一句ずつ俳句が日本語縦書きで紹介され、その横にブルガリア語で対訳がついている。

    
この本以外にも、「芭蕉」というタイトルの俳句の本も見たことがある。

俳句はブルガリアでかなり受け入れられていて、実際に、ぼくは俳句好きのブルガリア人に何度も出会っている。
去年の冬、旅行先でたまたま道を聞いたおじさんは「日本の俳句は素晴らしい。芭蕉が好きだ」と言っていた。夏に、湖での野鳥保護の会みたいな集まりで知り合った若い子も「私は俳句が好き」と言っていた。首都ソフィアで、ひと月程お世話になった家のおじさんは大の俳句ファン。毎晩のように夕食後、おじさん自作の俳句(*)を聞かされ、「いつの日にか京都に行き、芭蕉が句を詠んだ場所を巡りたい」と語っていた。

 

(*)
 
 

 

ブルガリア語の俳句なので、当然五・七・五のような音節はなく、季語のようなものもないと思う。単に、少ない単語で短い詩を作り、俳句的な雰囲気を楽しんでいるようだった。

 


 

無理だと思いつつ探してみると、意外に見つかる日本人作家の本。
    

JpBooksInHelikon.jpg (16464 バイト) ブルガスの大きな本屋で見つけた本。エイジ・ヨシカワ著、「ムサシ」と「タイコ」。ブルガリア語タイトル「タイコ」には一瞬「日本の楽器、太鼓のこと?」と思わされたが、吉川英治の「太閤記」のことだろう。「ムサシ」はもちろん「宮本武蔵」でしょう。

とても分厚い本だから読み切る自信はなく、また、(当然なのだが)挿し絵がほとんど無いため面白味もなく、購入はしませんでした ・・・・ブルガリア語の勉強には、きっと良いんだろうけどね・・・・ 。

    
このほかにも新書コーナーに、カズオ・イシグロという作家の本もあった(日本語タイトル不明)。
日本人作家の本は、ブルガリア語にもけっこう翻訳されていることがわかる。

そして、まだまだありました。
職場の読書好きの同僚が持ってきて紹介してくれた日本の本。
    

JpBooks.jpg (12807 バイト) 持ってきてくれた3冊の本は、(写真左から)阿部公房「他人の顔」、壺井栄「二十四の瞳」、そして「日本の童話について書かれた本」。
同僚が言うには、このほかにも阿部公房「砂の女」「燃えつきた地図」、星新一の本(タイトル未確認)などもブルガリアにはあるそうだ。

写真右端の「日本童話の本」は、いくつかの日本童話がブルガリア人によって翻訳されている。「桃太郎」などがブルガリア語で紹介されている。
    


 

以上のように、日本文化はブルガスを少し注意深く歩いてみると見つけることができる。
街のあちこちで、思っていたよりも多くの日本文化に出会え、驚きだった。

    

 

最後に、ある日本文化について興味深い記事を見つけたので紹介したい。
    
    

マンガ、アニメ


    
職場の同僚が持ってきてくれた、ある学校の自主制作新聞「ヨーヨ」。(2001年11月号)
この中に、日本文化について書かれたページがあった。
    
MangaArticle.jpg (11215 バイト) 17歳のスタニスラバさんが書いた記事。日本の「マンガ」「アニメ」について詳しく書かれていた。

その記事からの抜粋:
『(日本の)アニメ映画とマンガのテレビシリーズは世界中に広まっている。当然、ブルガリアも含まれる。もし誰かが日本のアニメなんか一度も見たことがないと言ったら、それは嘘か、単に知識に乏しいことを意味する。なぜならば、子供の時に「みつばちマーヤ」を見なかったという人は滅多にいないからだ。』

    
この文章を読むと、日本のアニメ文化がどれだけブルガリアに浸透しているのかがわかる。
(細かいことをいうと、みつばちマーヤは日独合作のアニメだけどね)

そして、さらに
『世界50ヶ国以上で放映されているポケモン。数週間前にブルガリアでも、ポケモンシリーズが始まった。』とも書かれている。
    

PokemonNotebook.jpg (12607 バイト) 日本にいた頃から「最近、ポケモンとかいうものが、ちびっ子の間で人気なんだなぁ〜」とは感じてはいたけれど、ブルガリアに来てからその人気ぶりには驚かされた。

まだブルガリア語放送が始まってもいない半年以上前から、駄菓子屋ではポケモンのお菓子が人気だったし、文房具屋でもポケモンのグッズを見かけた(写真はポケモンのノート:ブルガスの本屋さんにて)。

    
これでブルガリア語放送が始まったのなら、その人気はさらに高まりそう。
この日本アニメは、本当にすごい勢いだ。

 


これ以下、「おまけ」


    
どうやら世界に通用する横綱級のテレビマンガは、今現在ポケモンということらしい。

これまで、ぼくは「世界最強のテレビマンガは、ドラえもんに違いない!」とすっかり信じ込んでいた。ずっと昔に、ニュースかなにかで『ドラえもんは世界××ヶ国で翻訳され、いまや世界中の子供達から愛されている』というような話を聞いた覚えがあったからだ。
しかし、実際にブルガリアに来てみると、どのチャンネルでも見かけないだけでなく、絵を書いていろいろな人に聞いてみても、誰も知らなかった。
    

Doraemon.jpg (16406 バイト) 今年の秋、まだ暖かかった頃。
仕事でブルガス南方に標本採集に行った。そして、お昼ご飯を近くの巨大リゾート「サニー・ビーチ」で済ませ、食後にぶらぶらとサニー・ビーチの土産屋街を歩いていた。

すると、あるお土産屋の陳列棚にドラえもんがいるではないか!?予期せぬ出会いに驚いた!ブルガリアに半年以上住んで、初めて見つけたドラえもん。
急いでお店に入り、まじまじと確かめる、、、、「間違いない!」 どこから見てもドラえもんだ。

    
何も知らないふりをして、店員に白々しく「これは何?」と聞いてみることにした。
ぼくは、どうしてもブルガリア人の口から「これはドラえもんと言って、日本のアニメのキャラクターなんだ」というセリフを聞いてみたかった。

ぼく: 『これは何なの?』

店員: 『あぁ、これかい? これは、中国の猫だよ。』
    


 

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[2001.12.3 作成]

 

 

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