3月21日 水曜日 

 
勉強のため、街の自然博物館に行くことにした。
ブルガスに生息する生物が展示してあるらしい。 休日は閉館とのことなので、
平日の今日、職場をいつもより2時間ほど早く上がらせてもらった。

 同僚に簡単な地図を書いてもらった。セントラルに向かい、地図の場所に着く。
表札も、看板も、なにもない古風な造りの建物があった。
貴族の古〜い立派なお屋敷といった感じ。
近くに座っていたおじさんに聞いてみたら、この建物が博物館だという。

 やっているのか不安だったけれど、入り口の大きな木製扉を開けてみた。
開けると、中は改築工事していた。
「修理中だけど、自由に見て!」とおばさんに言われた。

MuzeiCugrada.jpg (9932 バイト) ブルガス
自然博物館

 

1、2階が展示室だというので、1階から順に見た。
鉱物は興味がないから飛ばし、植物も軽く眺めながら素通りし、動物展示室に向かった。

EzerenRak.jpg (4795 バイト)
 
ザリガニ

 かっこいい!惚れた。 体はアメリカザリガニを一回り大きくしたぐらいの大きさだけど、ハサミがとても長いのが特徴的。日本でいったら、少しタンカイザリガニに似てるかな? おもに湖に住んでいるようだ。食用にもされるとのこと。 そのうち捕まえてきて、部屋で飼おう!と決めた。 (写真は、標本のため灰色に見えますが、生体は異なる色をしていると思います

昆虫コーナー

 標本の状態が、劣悪だった。多くの甲虫にはカビが発生していて、綿を被っているような状態。トンボやカマキリの標本は、落ちてしまったのか頭部や眼がなくなっている。こんな酷い標本、展示しなきゃいいのに・・・・

クワガタ

 日本のミヤマクワガタに結構似ている。それの頭から上だけを1.5倍したかのような、巨大な顎と大きな頭部が特徴のクワガタ。 夏が楽しみ!

 
Brumbar.jpg (6077 バイト)

 
魚類、両生類、爬虫類コーナー

 ほとんどの展示は、プラスチック製の作り物だった。
いかにも作り物といった感じの魚は、あまり面白味がなかった。

 が、両生類・爬虫類は、ジオラマで生息場所が再現されていて、
生物模型、風景、両方ともとてもリアルな仕上がり。大満足だった!
このコーナーだけで、30分以上も過ごしてしまったよ。


 

2階は、鳥類、哺乳類の展示。

 鳥類コーナー
さすがヨーロッパで最も多くの種が見られる地域だけあるなー、と思わせる
展示の充実ぶり。鳥の剥製は、ところ狭しと置いてありました。
とても大きなワシ、青色をした猛禽の1種、くちばしが上方に反り返っている水鳥
などなど、いろいろといましたね。なかなか面白かった。

 哺乳類コーナー
鳥類の後に見ると、展示数をやけに少なく感じてしまうが、哺乳類なのでこんなものなのだろう。
少ないながらも、日本とはかなり違う動物たちがいて、興味深かった。
オオカミの剥製を見て、そうかぁ、ヨーロッパにはまだオオカミがいるんだなぁと、再確認。

Taraleju(Muzei).jpg (5007 バイト) ハリネズミ

 へーっ、こんなのもいるのかぁ〜と思った。 大陸の動物は、おもしろい。

Zaek.jpg (4827 バイト) ウサギ

 日曜日、原っぱで飛び出してきたのは、こいつだ! あまりの速さに、よく見えなかったので、ここでじっくり観察。


 

それほど大きくない博物館だったけれど、非常に面白かった。
近いうち、必ず、もう一度来よう!
 

 

 

同じ日 夜 

 
昼間の博物館に影響された。
両生・爬虫類のジオラマにいたヒキガエルの模型に。
もうこれだけ暖かいんだし、夜にはきっとヒキガエルが活動していると思った。

 

夕方に慌てて購入した懐中電灯を持って、夜中の畑地帯へと出掛けた。

 真夜中(12時頃)。広大な畑は、当然真っ暗だった。
しーんと静まりかえった畑の中を、懐中電灯の明かりが進んでゆく。
『このあやしい光景、ブルガリア人が見たらどう思うかなぁ?』
なんて考えながら、歩いていった。

JabaNosht.jpg (15199 バイト) 例の小川を覗いてみる。

 相変わらずワライガエルはいたが、寝ぼけているのか、反応が鈍い。 懐中電灯で照らしても、1m以内に近づいても、動こうとしない。 カメラのフラッシュには驚いて、逃げた。


 

 畑の中の1本道を1時間近くは歩き続けたけれど、出会ったものといえばミミズくらい。
昼間は目にしないミミズが出てきているから、それを狙うヒキガエルへの期待も高まるんだけど、
ぜんぜん遭遇しない。

 昼間は、ポカポカで気持ちいい散歩になる畑の道。
3月中旬の夜は、まだかなり寒い。
草の露に濡れて、ズボンの裾が冷たい。
この寒さと、生物遭遇率の低さに嫌気がさし、あきらめて帰ることにした。

 

 舗装道路に出て、家に戻る。
しばらく歩いていると、道路脇でガサゴソと、なにか音がしている。
近づいて、ライトを照らす。
大きめの動物がいた。 ん? ネコ?

 

 さらに近づいてみて、びっくり。
昼間、博物館で見た、ハリネズミだ!!
大きさは、体長30cmといったところ。

 

 懐中電灯の光を気にしているのか、動かずじっとしている。動き出すのをしばらく待つ。  ・・・・ぜんぜん動かない・・・・  しびれを切らしたぼくは、針がどのくらいの硬さなのか知りたかったので、触ってみた。

Taraleju.jpg (14386 バイト)
 そ〜っと触れてみただけなのに、ササッと丸まってしまった。
しくじった!
今度は、丸まったっきり、ピクリとも動かなくなっちゃったよ〜。
参った。    もっと写真撮ってから触るんだった・・・・
TaralejuTopka.jpg (14676 バイト)  

 仕方なく、ライトを消して、動き出すのを待つことにした。

・・・・・・・・・10分くらい経過・・・・・・・・・

         反応なし

・・・・・・・・・もう10分くらい経過・・・・・・・・・

 なんか、シュッシュッ、シュッシュッって鼻を鳴らしだし、
間もなくのそのそと動き出した。

 どうやら、嗅覚に頼って行動している。
だから、においで周囲の様子を確認していたわけ。
眼はそうとう悪いらしい。
顔の前に手をかざしても、見えていないようだ。

 ハリネズミは、ヨーロッパに2,3種いる。
見つけたハリネズミは、博物館で見たのより、顔が黒い。
同種なのか別種なのかは、よくわかりません。

Taraleju2-s.jpg (13221 バイト)
Erinaceus sp.


 

 次の朝、職場の同僚らに、「ハリネズミ見たよ!」って興奮して話した。
でも、ブルガスでは、それほど珍しいことではないらしい。
よく出没するし、たまに道路で車に轢かれて死んでいるとのこと。

 でも、ぼくにとってはとても珍しい動物だったから、楽しい出会いだったよ


 
職場の同僚に、「夜中、ひとりで畑に行くのは危険だ」と忠告された。
危険な動物がいるのではなく、懐中電灯でウロウロしていると、泥棒
と間違われて、銃で撃たれるおそれがあるという。今後は、少し気を
付けようと思う。
 

 

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[2001.4.1 作成]
[2001.4.7 針鼠の大きさ追記]
[2001.4.14 ザリガニ写真への注釈追記]
[2001.6.21 博物館外観写真追加]

 

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