2月のある日
実体顕微鏡で水生昆虫を見ながら、スケッチしているときに思い付いたんだ。
自分のデジタルカメラで顕微鏡写真が撮れるんじゃないかなぁ、ってね。
接眼レンズをきれいに拭いて、デジカメのレンズをそこにあてがって、パシャッ! 体長1cm程度の、タガメみたいな水生昆虫が手元にあったので、それを撮ってみた。 |
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← こんな風に撮る。
写り具合、クリックして見てください。 |
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ブルガスに住んでいれば、つぎに自然と思い浮かぶのは、「望遠鏡か双眼鏡で、鳥を撮ってみたい!」っていう考え。
ただ、ぼくは望遠鏡も双眼鏡も持っていなく、実際に試してみることができない・・・・ |
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そんなある日、ブルガスにある自然保護団体の人らと知り合った。
この団体は、ブルガス周辺の鳥の観察も行っているので、当然、望遠鏡・双眼鏡を持っている。
事務所に遊びに行き、「望遠鏡+デジカメ」実験をやらせてもらった。
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テラスに出て、なにか実験対象になるものを探す。およそ100mくらい離れている建物の屋根に、何匹かのカモメが見える。 三脚で望遠鏡を固定し、デジカメをあてがって、撮ってみる。
← これ |
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この簡単な発想の『デジタル画像』は、仕事面でなかなか役立っている。
ぼくの職場では、いま、たった1冊の水生生物図鑑を頼りにして水生昆虫などの分類を行っ
ている。当然、その図鑑だけではしっかり分類しきれない種類の生物が、ときどき出てくる。
これまでだと、
「不明種の標本を中央(ソフィア)の研究所に郵送し、図鑑の充実しているソフィアで調べて
もらい、その分類結果を報告してもらう」
という手順をとっていた。 しかし、この『デジタル画像』のお陰で、より簡単により速く分類結果を知らせてもらえる。
「顕微鏡下で不明種の写真を撮り、その写真を中央の研究所にE-mail
の添付画像として
送る。ソフィアでは、その画像から種を分類して、結果を返答してくれる」
という具合。
この間、実際に送った画像 →
背側と腹側の写真
(体長5,6mm 程のPsychodidae の1種) |
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ぼくの職場のような国立の地方環境研究所は、現在ブルガリアには7ヶ所ある。その中で、ヴェリコ・タルノヴォという都市の研究所だけが、デジタルカメラを備えた顕微鏡を持っている。 中央の研究所に、初めてブルガスから「不明種のデジタル画像」を送ったとき、ソフィアからすぐに電話があった。ソフィアの同僚は興奮して、「いったいどうやって、この写真を撮ったんだ!? ヴェリコ・タルノヴォより、きれいに撮れているじゃないか!!」と驚いていた。
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