ある檻の近くに行くと、ぼくを威嚇する低いうなり声。ヴゥ〜って、かなり怒っている様子。 だけど、巣穴(隠れ家)の中にいるから、姿がまったく見えない。檻の札には「Чакал
」と書いてある。「あぁー!ジャッカルだぁ!」 興奮したね。
ブルガリアの森には、オオカミもジャッカルも生息している。オオカミは非常に数が少ないので、まず滅多に見ることはできない。ジャッカルもそれほど多くはいないものの、オオカミよりは出会える可能性が高い。と、聞いている。
ジャッカルが出てくるのを楽しみに待ってみた ・・・・が、ぜんぜん出てこない。
そこに、ちょうど、飼育係のおじさんがやってきた。
すると、巣穴から飛び出してきた黒い大きな影!!
『ガハハァ〜、どうだ俺の犬は〜。すごいだろう?!』と、おじさん。
現れたのは、黒い大きなシェパード犬。おじさんの前で尻尾ブンブン振って大興奮。
「えっ? お、おじさん、ジャッカルは??」
『あ? あぁ、それ名札だけだ。今はいない。 それよりこんな犬、おまえの国にはいないだろう。 おおぉ、よしよし(犬を撫で撫で)。 はっはー、デカイだろう!』
・・・・・・・・・ 日本にもシェパードくらいいるけどさぁ ・・・・ ジャッカルゥ〜
滅多に現れないお客が珍しいのか (いや、本当はアジア人が珍しい)、おじさんはいろいろと質問してくる。『どっから来たんだ?』、『日本のどこだ?』、、、、
いろいろ話すうちに、(さっき一通り見てしまった)せまい園内を案内してくれた。
ヒョウの檻に来ては、
『こいつの名前はイヴァンって言うんだ。 おーい、イヴァン!こっち来い。』
キツネの檻では
『こいつは、ペータル。 ペータル!ペータル!おいでおいで。』
と、動物の名前しか説明してくれない。(・・・・名前なんてどーでもいいんだけどなぁ)
みんなに名前を付けていて、なかなかかわいらしいおじさんだ。
『あっ! おまえ、日本のシカ見たかぁ?』
「へっ? 日本産の? いるの?」
『なんだー見てないのかぁ。 こっちに来い。 いるんだぞ。 日本のだぞ。』
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